2025.08.02
ミラドライはワキ以外の治療に使っても良いのか?
結論から先に申し上げますと、わき以外に使っても何ら問題はありません。
なぜ、こういうことが言われるようになったのかというと・・・
ミラドライの適用外部位への使用に起因する可能性が高いとされる死亡例の症例報告があったからです。
https://www.dermatol.or.jp/modules/important/index.php?content_id=70
ただし、これはフルニエ壊死という、極めてまれな、重症な壊死性筋膜炎になり、人食いバクテリアともいわれる状態に陥ったからで、ミラドライでなくても、ほかの治療でも起こりえます。
ミラドライ治療だから、生じたというわけではありません。
ミラドライは医療承認を受けた治療器で、その治療効果は折り紙付きということになりますが、適応症はわきの多汗症になります。
ワキの多汗症なので、わきがには適応がないといわれるゆえんになりますが、実際のところ、わきがの原因になっているアポクリン汗腺も熱破壊され、消滅します。
では、なぜ、多汗症治療にしか効果がないといわれるのでしょうか?
それは、臭いは証明できない、エビデンスが取れないからです。
臭いの感じ方の説明になると、とても難しくなるので、ここでは省きます。
一方、汗の量は計ることができるので、治療によって、量的な変化を計測でき、治療効果を証明できます。したがって、ミラドライによって、汗の量が減っているので、治療効果があると判定されるのです。汗の量=エクリン汗腺、なので、エクリン汗腺にしか効果がないと思われてしまうのです。
かように、ワキでも証明できないものが、チチガとか、すそがとか、その状態すら医学的に証明できていないものの治療になると、エビデンスの取りようもありません。
したがって、治療効果も、証明できないので、適用になるわけがありません。
実際のところ、ミラドライのメーカーも、絶対的禁忌(使うと、とんでもない事象になってしまうこと)には、ペースメーカーとか、金属とか、ミラドライが直接的に悪影響を及ぼすものに対してだけであり、わき以外の部位への治療が絶対的禁忌事項になっているわけではありません。
私だってやみくもにわき以外の部位のミラドライ治療を始めたわけではありません。
ミラドライ治療を行っていた当初はワキの治療しか行っていませんでした。
そうこうするうちに、ミラドライ治療でワキガが良くなった患者さんから、胸と、デリケートゾーンの相談を受け、ミラドライで治療できないかと懇願されたのがきっかけでした。
そこで、同様な患者さんを、何人かモニター治療を行ったうえで、安全性と、効果を確認したのちに、治療を行っています。
ちちが、すそわきがの手術は不可能だと思っています。
その点でも、ちちが、すそがの治療を希望している方にとっては、ミラドライは最良の治療法でしょう!